巷のスーパーや精肉店などで「A5ランクの和牛」といった言葉がよくみられるように、肉の格付というと、牛肉のイメージが強いかもしれないですが、じつは豚肉にも「格付」が行われております。
さて今回は、豚肉の「格付」についてご紹介します。格付を知ることで、豚肉の見方が変わる!
そんな内容となっております。それでは、どうぞ!
豚肉の格付は5段階
豚肉の格付は、「極上、上、中、並、等外」の5等級に格付されます。
格付は、公益社団法人日本食肉格付協会が、農林水産省の承認を得て定めた「豚枝肉取引規格」を基準にしたがって行われています。
格付が実施されている場所・・・
格付は全国の食肉卸売市場や産地食肉センターなどで行われる。 日本食肉格付協会の職員が、枝肉を1本ずつ判定し、食肉が適正な価格で取引されるよう、肉の品質を評価してランク分けを行っている。
等級は3つの基準をもとにした総合判断
判断基準は「豚肉の色や脂肪の入り具合などを総合的に判断」して判定されます。
具体的には「重量及び背脂肪の厚さの範囲」「外観」「肉質」の3つの基準にもとづいています。
- 均称(全体のバランス)
- 肉付き
- 脂肪付着(脂肪の付き方)
- 仕上げ
- 肉の締まり及びきめ
- 肉の色沢
- 脂肪の色沢と質
- 脂肪の沈着
などを総合的に判断し、「極上、上、中、並」に格付されていきます。
上記の基準に該当しないものは「等外」として格付され「外観や肉質、脂肪の質が特に悪いもの、不快な臭いがあるもの」などが該当します。
市場に出回っている豚肉は、約50%が「上」等級
令和4年の豚枝肉の格付結果では、市場に出回っている豚の等級は、
- 上 48.6%
- 中 34.6%
- 並 12.1%
- 極上 0.8%
- 等外 3.9%
となります。意外にも「上」「中」が市場のほぼ80%を占めていることがわかりますね。
スーパーなどで手に入る精肉は、ほとんどが「上」か「中」のどちらかなのではないでしょうか。
「A5ランクの和牛」などの牛肉の格付は、スーパーでよく目にする機会がありますが、「極上」ランクの豚肉は、めったにお目にかかることができないですよね。豚肉の「格付」の認知度が低い理由は、そのためかもしれません。
牛肉の格付
牛肉の格付は「全15通り」。歩留等級はA・B・Cの3つに分かれており、最高級はランクA。肉質等級は5・4・3・2・1の5つに分かれおり、最高級はランク5です。牛肉は2つの等級を合わせたA1~A5・B1~B5・C1~C5の全15通りに格付けされます。
豚肉の格付は「おいしさ」の評価ではない!
じつは豚肉の格付には「味・おいしさ」の評価は一切含まれておりません。
「等級がよいものほど、美味しい」と勘違いしやすいのですが、あくまで格付は、肉質や見た目の総合的な判断結果ということです。
では、「格付」の意義とはなんでしょうか?
当工房では、格付は「味・おいしさ」の判断ではなく、豚肉の市場取引における「取引の透明性を高める指標」だと考えております。
良質な肉かどうか区別することができる一定の指標があることによって、業者や消費者が、適切な選択をできるようになります。
「市場取引を効率化して、取引の透明性を高める」、「業者間での価格交渉や取引が、共通言語にもとづいて合理的かつ公正に行われる」ことが期待できるでしょう。
つまり、格付は肉の品質を確保して、取引を効率化し、流通させるためのシステムなのです。
ハム工房 HISAMATSU の取り扱いは「上」がメイン
当工房の商品は、すべて自家農場の豚肉を使用しております。
豚の成長具合や外部環境の変化によって、多少のばらつきは出てしまいますが、「上」等級の豚肉をメインに取り扱っております。
さいごに
格付の等級と、豚肉のおいしさには相関はありません。
おいしいハム・ソーセージは、豚肉のもつ素材をいかしつつ、一つひとつの製造工程で「おいしい」を引き出せるよう工夫していく必要があります。
ハム工房 HISAMATSU は、これからも「おいしい」に向き合って手づくり製造をつづけてまいります。 以上、最後までお読みいただきありがとうございました。