豚肉の熟成とハム・ソーセージ作り:鮮度と製造プロセスの重要性

豚肉の熟成とハム・ソーセージ作り:鮮度と製造プロセスの重要性

はじめに

豚肉の熟成(エイジング)は、肉を柔らかくし、風味を引き出すために重要な役割を果たします。しかし、特にハムやソーセージの製造では、熟成よりも「鮮度」を重視することが美味しさのカギです。今回は、豚肉の熟成と、ハムやソーセージに適した肉の選び方、製造において鮮度を保つためのポイントについて詳しく説明します。

 

熟成による豚肉の変化

豚肉を熟成させると、酵素の働きで筋繊維がほぐれ、肉が柔らかくなると同時に、旨みや独特の香りが引き出されます。これはアミノ酸が増加することで、甘みや風味が引き立つためです。

熟成には「ウェットエイジング」と「ドライエイジング」があります。ウェットエイジングは真空包装で空気を遮断して熟成する方法で、ドライエイジングは温度・湿度を管理した環境で肉を乾燥させる方法です。

熟成は、ハムやソーセージといった加工肉にも行われております。スペインの最高級ドライハム「ハモン・イベリコ・デ・ベリョータ」は、その代表例として知られています。このハムは、どんぐりを食べて育った黒豚を塩漬けした後、1ヶ月乾燥させ、さらに24ヶ月以上も熟成させることで、独特の芳醇な香りと深い旨みが引き出されます。こうした長期熟成は風味をより複雑にするために行われますが、すべてのハムやソーセージにおいて同じ工程が必要なわけではありません。ハムやソーセージに使用する豚肉には、熟成タイミングを見極めることがより重要になってきます。

 

 

ハム・ソーセージ作りには鮮度がカギ

ハムやソーセージ作りでは、熟成よりも新鮮な肉が好ましいと当工房では考えております。その理由は、原料肉の鮮度が製品の食感や味わいに直接影響するからです。熟成しすぎた肉と新鮮な肉では、製品の結着性や保水性に違いが生じます。結着性や保水性が低いと、ソーセージではザラつきが残り、口当たりが損なわれるため、製品の品質が低下してしまいます。

 

肉温・冷蔵庫温度管理と手早い作業の重要性

新鮮な豚肉の状態を保つためには、冷蔵庫の温度管理が非常に重要です。理想的な環境で保存され、手早く作業されることで、肉の品質が維持されます。特に、温度の変化が肉の鮮度に影響するため、肉温や冷蔵庫の温度を厳格に管理することが求められます。

また、おいしいハムやソーセージを作るには、熟成に頼るのではなく、各工程で肉の状態を丁寧に見極めながら進めることが大切です。職人が肉の状態に応じて微調整を行い、常にベストな状態で製品を作り上げることで、最良の食感や風味を引き出すことができます。

 

熟成肉とハム・ソーセージ作りの違い

熟成肉は、熟成により深い香りと旨みが楽しめますが、ハムやソーセージ作りでは過度な熟成は逆効果です。当工房のハム・ソーセージは、原料肉が持つ新鮮な風味を生かすために、製造工程での適切な管理を重要視しております。

 

まとめ:鮮度と工程管理が製品品質を左右する 

豚肉の熟成は、その旨みや風味を引き出すための手段であり、熟成を適度に行うことで美味しい味わいが生まれます。しかし、ハムやソーセージにおいては、新鮮な肉を選び、温度管理と迅速な作業を徹底することがより重要です。肉の状態を見極め、職人が工程を丁寧に管理することで、高品質なハムやソーセージが完成します。

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ハム工房 HISAMATSU

〜 心満たされる、食卓を。〜

私たちは平成12年創業。ぐるっと見渡すかぎり田んぼの村で、茨城育ちの夫婦二人が手づくりハム工房をはじめました。

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すべて手造り、心に残る美味しさを

  • 茨城県つくば市、唯一の養豚農家

    養豚農家でもある当工房では自家農場豚「いも豚」を使用しております。

    生産から加工まで一貫しているからこそ、より鮮度のよい豚肉をつかって安心・安全なものづくりができております。

    また防腐剤や保存料・増量剤などの「混ぜ物」は一切使っておりません。

  • 全て手造り、素材と製法へのこだわり

    商品はすべて職人による手造りです。

    豚肉の状態・四季の気候に合わせた調整を、人の手でじっくりと見極め、丁寧な製法を行なっております。

    「岩手産の桜チップ」や「天然羊腸」、「ドイツ産の直輸入スパイス」など自然の恵みを生かした素材を使用しております。

  • ドイツ認定の品質、地域のつながり

    3年に一度開催されるドイツの権威ある食肉加工品評会「IIFA国際食肉コンテスト」で金賞5個・銀賞1個・銅賞2個を受賞しました。テレビ朝日「食彩の王国」雑誌「サライ」「dancyu」などメディア掲載も多数されており、つくば市を代表するハム工房として、地域の皆様に支えられてきました。

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ハム工房 HISAMATSUからのメッセージ

ハム工房HISAMATSUでは、職人の手で一つひとつ丁寧に造られたハムやソーセージをお届けしています。だからこそ、ただ「美味しい」だけではない、特別な体験を皆さまと共有できる可能性があると思っております。造り手と消費者の絆を深めることが、おいしさを超えたストーリーを育むと考え「ハムソー日記」が誕生しました。

現代では、機械やAIによる食品製造の自動化が進み、効率的にお腹を満たすことができます。
しかし、私たちは信じています。心満たされる、本当に忘れられない味は、人の手によってつくられるものだと。私たちのハムソーセージには、機械には作れない温もりや心が込められています。

ハム工房 HISAMATSUの職人と手造りハムソーセージ、そしてそれを手にする皆さまとのつながりを大切に。時代は変わっても、人の心は忘れないハム工房でありたい。そんな想いを持ち続けながら、皆さまと共に歩んでいきたいと思っています。