わたしたち消費者が普段スーパーなどで手にしている豚肉は、どのような道をたどってきているのでしょうか?
今回は養豚業も営む当工房が「生産者から消費者の手に届くまでの豚肉の流通」についてご紹介いたします!それではどうぞ!
昔は豚を生きたまま売買していた!? 今は「枝肉取引」が一般的
家畜される豚の取引形態は、時代の流れとともに変化しております。
じつは1960年代までは豚は生きたまま売買する「生体取引」が主流でした。
食肉の需要・供給の増加に伴い、枝肉にしてから取引するように発展し、現在では「枝肉取引」が一般的となりました。
枝肉取引とは・・・豚をと畜後、頭部や四肢、尾、皮、内臓を取り除き、背骨から2分割した枝肉として取引すること。1953年に、豚は指定されたと畜場で解体・処理を行うよう「と畜場法」によって定められるようになった。
茨城県は養豚王国!と畜場は9箇所もある
茨城県は、農業産出額全国2位を誇る農業県であり、そのうち畜産は全体の28%を占める重要品目になってます。特に養豚については、全国第5位の産出額を誇るなど全国有数の養豚県でもあります。
そんな茨城県では、と畜場が9箇所あります。
当工房の自家農場豚は、茨城協同食肉 (株) に毎週出荷しております。
- 協同組合水戸ミートセンター
- (株) 茨城県中央食肉公社
- 竜ヶ崎食肉センター
- 取手食肉センター
- 茨城協同食肉 (株) ← 当工房の出荷先
- 土浦食肉協同組合
- 筑西食肉センター
- 下妻地方食肉協同組合
- 茨城協同食肉 (株) 下妻事業所
豚肉の流通について
一般的に「家畜→枝肉→部分肉→精肉→加工食品」という流れで流通しています。「精肉」の段階になると、地域のスーパーマーケットで手に入れることができます。
家畜
養豚農家によって大切に育てられた家畜は、「食肉センター」や市場併設の「と畜場」で枝肉にされます。
枝肉
主に中央・地方の卸売市場で、卸売業者や小売業者・加工メーカーなどが「せり」を行って枝肉の売買が行われます(枝肉取引)。
※ 取引価格は枝肉の質で決まり、新聞等で毎日公表されている。
※ なお「畜産副生物」と呼ばれる内臓は、正肉とは流通ルートが異なり、その多くは畜産副生物卸売業で専門的に扱われ卸売業者へ流れる。
部分肉
卸売業者や食肉加工業者によって、枝肉から骨を除かれ「もも」「かた」など大きな部位に分割した肉にされます。いわゆる問屋などで購入できるブロック肉になります。
(部分肉:脱骨、余計な脂肪の除去、大きな肉の部位に分割される)
精肉
部分肉をスライスしたり、ステーキ用など料理材料としてカットされます。消費者が購入できる肉としてより身近な状態になっています。スーパーなどの小売店だけでなく、外食店や量販店でも精肉の取引が行われています。
豚の飼育サイクル
豚は、6ヶ月間の飼育期間を経てと畜されます。牛は30ヶ月間です。
鶏は、40日~60日と飼育期間がもっとも短く、生産性や資本回転率が高いため、総合商社資本によって生産から加工、販売までの全過程を統合して行う「インテグレーション流通」が主流となっています。
ハム工房 HISAMATSU は「養豚から加工まで」
当工房では、養豚から加工まで一貫通貫した取り組みをしております。(上記オレンジ色の部分。枝肉にするためにと畜場へ卸し、自家農場豚は持ち帰ります。)
中間業者の取引を挟まないことで、目の行き届いた豚肉を使用することができ、安心・安全なハム・ソーセージの製造に取り組めております。
「どこで、誰が、どのように育てた豚なのか」を理解した上で、おいしいハムソーセージ造りができることが、当工房の強みのひとつです。
さいごに
豚肉の流通を知ること、そして当工房のことも知っていただけたら嬉しいです。
ハム・ソーセージの素材である「豚肉」への理解、これが「おいしい」を引き出すポイントだと私たちは考えています。
ハム工房 HISAMATSU は、これからも「おいしい」に向き合って手づくり製造をつづけてまいります。 以上、最後までお読みいただきありがとうございました。